「ああ、俺? 俺は……ご覧の通り無職!」
夕飯の買い出しを済ませマンションに戻ると、
何やらサンダルにスウェット姿の男が座り込んでいた。
よれた風貌のその男は、何年も会っていない幼馴染の宍戸衛だった。
聞けば、大企業に勤めていたものの、
調子に乗った挙句、大きなミスをしてしまい解雇。
見るからに仕事のできる男の風貌をしていたはずが、
その面影は別人と見まごうほどに失われていた……。
しかし当人に悲壮感はなく、なぜか陽気なご様子。
少しの情を見せてしまったが最後。
衛はあなたをうまいこと丸め込み、一時的に同居することに——。
『拾いました。』シリーズ第五弾。
今日からあなたと一向に働く気配のない彼との
不思議な同居生活がはじまります。
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